明るい部屋

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【映画】「We Margiela」を観て。

We Margielaを観てきました。

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1年ほど前にフランスで公開されることを知ってから昨年2018年の10月くらいに日本での公開がアナウンスされましたね。本国公開前にはofficial home pageから登録すると手書きのナンバリングされた紙と写真が付いてくるメーリングがあったそうで、いつも行っている美容室の方が登録していて見せて貰いました。

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マルタン・マルジェラにとっても特別な国のひとつの日本でも公開されると知って、どんなプロモーションを掛けるのか興味があったのですが…

前売り共通鑑賞券についてきた付録が“We Margiela“と記載されたクリアケース…

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とても日本らしいです。

上記の影響もあって少し期待しない方が良いのかな?いや、悪いはずがないと思いながら観に行ったのですが、やはり映画自体はとても良かったです。

同時に一般的にはコアな内容だし逆にここまでプロモーションしないと観に来る人少ないだろうな…とも思いました。

前言撤回、プロモーション会社の方々、日本で公開してくださってありがとうございます。

事前情報として観に行った方(おそらくあまり映画をたくさんみていない方)からは"眠い、退屈だ、マルタンマルジェラに関する新しい情報がなかった、これまでの情報を補完しているだけだった"などネガティブな意見を聞いていました。

しかし、上映前に時間があったのでパンフレットを購入し読むと、これは"マルジェラの映画"ではないことがわかりました。失踪した人を題材にした作品を作りたいと思い、マルジェラについて全く知らない状態から時間をかけて制作したとありました。”失踪した人の映画”と捉えるとものすごく良いドキュメンタリー映画でした。マルジェラの匿名性もあって本人が決して出てこない、話の中で語り継がれるという点も映画の趣旨としてとても合っていたと思います。

劇中の効果として、マルタンマルジェラのパートナー “ジェニー・メイレンス “が喋る場面になると画面がまっ白のモノローグ調になるのですが、これがまるでMartin Margielaの白タグを見ているような印象を受けました。

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ジェニー・メイレンス

劇中に “白は人を映し出す特別な色 “という表現もあることから"白タグを覗いてMartin Margielaの真相を覗いているような感覚"に陥ることができ、とても素晴らしい効果だと感じました。もしDVDやオンデマンドでの鑑賞を考えている方は劇場で観た方が良いです。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、マルタンがブランドをどのようにして去ったかを全く知らなかったので今回の映画で知ることができたのですが、そのタイミングが本当に最高だなと思いました。

自分もマルタンのようにずっとインディペンデントであり続けたいしくだらないと思うことはくだらないと軽蔑していこうと思いました。

監督は違法なレイヴパーティで映画上映していたところ最後の方で警官に取り押さえられそうになった経験があるらしく、他の作品も見てみたいと思いました。

ただ、邦題の"マルジェラと私たち"は間違いで”私たちマルジェラは"が正解だと思います。